自分の強みを整理して企業にアプローチすれば道が開ける
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西田 涼香
Webデザイナーコース
現在、大手アパレルメーカーでトップデザイナーとして活躍される中。
現在、大手アパレルメーカーでトップデザイナーとして活躍される、
西田涼香様(OA・WEBコース修了生)に
「就職活動におけるポートフォリオ(作品集)」について講義していただきました。
講義後、デザイナーのお仕事についてインタビューにお答えいただいた様子です。
自分の強みを整理して企業にアプローチすれば道が開ける
ほり→授業で多かった質問は何ですか?
西田→私なんかのデザインスキルでは就職できないかも?という声がすごく多かったです。スキルがないから就職できないという声が多かったですが、そこは違いますよとお答えしました。しっかり自分の強みを整理して、そこにあった企業にアプローチすれば自ずと道は開けると思います。
ほり→改めて、西田さんのお仕事を聞かせてください
西田→アパレルメーカーのトップデザイナーとして店頭のポップ、ポスター、カタログ、ホームページのバナーやデジタルサイネージなど印刷物や電子公告も企画デザインを主に担当しています。
靴の製造を行っている会社なので半年先の 企画デザインをスピード感を持って行っています。
靴のデザインを担当するデザイナーからトレンドやカラーの指定を受け、企画チームと販促マーケティングチームと打ち合わせをおこない販促物の企画作成からジャッジを行うところまでが私の担当です。上にクリエイティブディレクターがいます。
ほり→2年前訓練を受けたのはどんな理由ですか?
西田→以前は新聞社に勤めていましたが私のスキルは紙面上のデザインしかなかったので、Webのデザインも勉強していきたいと思い受講を決めました。
ほり→受講されてどうでしたか?
西田→授業内容は OA ソフトと Web デザインが主な内容でしたが OA ソフトについてはこれまでの仕事の見直しの良い機会になりました。 Web はコード打ちなんかも全く行ったことがなかったのでこんなに大変だったんだと実感できました。大変さも踏まえてまた新しい仕事のモチベーションになりました。
ほり→WEBデザイナーになろうとは思いませんでしたか?
西田→元々Webデザイナーよりも 、Webを理解した上で紙面のデザインで幅を広げたいと思っていたので、紙中心のデザインを続けていきたいという思いがますます強くなりました。
ほり→在学中はかなり熱心に就職活動に取り込まれましたが、 何が西田さんの行動の原動力になりましたか?
西田→転職するからには、ちゃんとスキルアップして前よりもいい会社に就職したいという思いがあったのですが 、そのためには自分が納得できるものを作って就職活動に望まないと納得いく就職先に決まらないんだろうな。という思いがありました。
他の方から見れば、随分と制作に長い時間ををかけているんだな。という風に思われたかもしれませんが、自分としてはこのぐらいの制作期間がいるなと逆算をして、しっかり時間をかけて臨みました。
デザインの仕事をしていると、デザインばかりに目がいって、行き詰まることがあるのですが、 やるときはやる、休む時は休む。とメリハリをつけて、出来る時にはとことん集中して取り組みました。
ほり→何社応募されましたか?
西田→10社も送ってないです。両手で足りるぐらいだったと記憶しています。私のポートフォリオを見て面接をしてくださる会社が半数以上あったと思います。そのうち半数以上の会社に内定を頂いたと思います。
正式に何社に内定をもらったかは、ごめんなさい覚えていません。
しっかりした準備が希望先に就職できた理由です
ほり→すごい確率ですね!そその秘訣はなんだったと思いますか?
西田→しっかり準備をして準備内容にあった企業を選択してうけたからだと思います。 自分の持っている情報や自分の強みとマッチした企業をいかに選ぶかが、少ない応募数で希望先に就職できた理由だと思います。
私の場合は、女性または子供向けのデザインを専門に行いたいという気持ちがはっきりしていたので、女性向けのサービスや商品を提供している企業に絞って応募しました。それで少ない応募で就職が決まったのだと思います。
ほり→これからデザイナー を目指す方についてお聞きしたいのですが「デザイナーに向いている、向いていないってありますか?」
西田→向いている、向いていない?そうですね・・・うーーーーん…
まぁ、自信のない人はダメだと思います。自信を持って私はデザイナーになりたいんだと思える人の方がなりやすいのかな、と思います。
後、デザインって挫折する人も多いんですよ。
頑張れば必ず結果が出るというわけではないので、 例えばポートフォリオにしても頑張って作ったからといって必ず就職が決まるものではないじゃないですか?
でも、作らなければうまくいかない。それには時間もかかるし日数がかかるので、時間をかけて製作するところをマイナスに見過ぎない。
プロでもアイデアを出すのに丸1日かかったりするので、時間がかかるところ、かと言ってかけすぎるのは良くないのですが、時間をかけることにあまりマイナスイメージを持たない方がいいのかな?と今日の授業で感じました。
客観的にみてもらえる機会が必要
ほり→話が横道に逸れますが、アイディア出しのコツ?みたいなものはありますか?
西田→私は仕事をいかにサボるかを考えています。さぼった方がいいアイデアが出ますwww
私は机やパソコンの前に向かってるほうがいいアイディアが出ないので、散歩に行ってパーっと気晴らしをして気分転換をした方がアイデアが出たりするんです。
気分転換がおすすめです!アイデアが出ない後輩にも「少し散歩でもしてきたら?」って言ってます。
アイディアが出ない時は、作業をルーチンワークに切り替えるなど、決められた期限の中で作業内容をコントロールしています。
ほり→話を元に戻しますが、デザイナーになりたい人が取るべき行動とはどんな行動なのでしょうか?
西田→疑問に思うことをわかってそうな人、知ってそうな人、ちょっといい意見をもらえそうな人に聞いてください! って授業でも言いました。
独学もいいのですが、独学が合ってるか合ってないかは客観的に見てもらわないと分からないことなので必ず客観的に見てもらえる機会を作ってほしいです。なので、この学校の先生をめっちゃ頼ってくださいと言いました!
ほり→それは新野がいるから大丈夫です。(笑)
西田→(笑)安心しました。
ほり→訓練校の活用法ってありますか?
西田→さっきお伝えしたどんどん質問することもそうなのですが、めっちゃ失敗してくださいって授業でも言いました。
ほり→訓練で失敗を経験して欲しい。全く同感です。
西田→失敗できるのはここだけだよと言いました。会社では失敗したら成績や評価にかかってきますがここは誰も怒りませんし、お金も取られませんし、失敗し放題じゃないですかw?
だから、やりたいことは何でもやって、いっぱい失敗してください。いっぱい失敗したら同じことではもう失敗しないじゃないですか?だから、失敗しないために失敗してくださいって授業で何度も言いました。
ほり→デザイナーになるにはどのくらいの努力が必要ですか?
西田→決まってないです。クリエイティブの仕事には決まりがなくて、そもそもポートフォリオにしても決まりがないんですよ。
授業では皆さんに「ポートフォリオは何のために作りますか?」とお聞きしました。自己 PR とか自分をアピールするため、という答えがほとんどだったのですが、私はそう思っていなくて、私はポートフォリオを「面接に行くための道具」だと思っています、とお答えしたんですね。 面接に行くための道具だと思って作れば、どのくらい努力すればいいかなんて人に言われる必要ないですよね?
実際に、ポートフォリオを見ただけで採用が決まる人なんて100%に近い確率でいませんよ? 必ず採用までに面接がある。絶対に面接に入らなければならないのであれば、ポートフォリオは面接に行くための切符と考えればいいと思います。
採用になるならばそもそもポートフォリオの必要がないかもしれないし、冊子だけでもいいかもしれないし、モノでもいいかもしれない。
けれど、現状として企業はポートフォリオを出してくださいというところが多いので作らなきゃいけないんですが、受かるんだったらポートフォリオ以外のものでもいいんですよ?とお伝えしました。
ほり→ポートフォリオ以外の物ってどんなものがありますか?
西田→自分の強みとか自分にしかないものをかき集めたものを作ってください。例えば自分史とか…
私の作品で言うと私の強みはアイデアなので受け取った人が「贈り物を受け取った時のワクワクする気持ち」を感じてもらえるように 箱ごとデザインしました。
ほり→つまりポートフォリオに自分の強みをぶつけたらいいってこと?
西田→そうです。
あと、ポートフォリオは時間がかかって嫌なものと思うのはやめましょう。
嫌なものと思っちゃうと、嫌なものを作って、嫌なものを送りつけることになるじゃないですか?そうなると相手にも必ず伝わるんですよね。 逆に納得いくものを納得いく形で送れば伝わる人は必ずいるので、時間をかけることに対して極端にマイナスイメージを持つ必要はないと思います。
ほり→訓練がおすすめできる人、おすすめできない人ってあったりしますか?
西田→私はもともと明確な目標をもってここに来たので、それに対して、先生方は応援してくださるし、支援してくださるし、本当に頼りたいと思った時にすごい快く受け入れてくださってたので、すごくいい学校だなって思ってて、ほんとに自分が活動しやすい期間だったなって思ってます。
ほり→ほんとに?ありがとうございます。
じゃあ、デザインに興味があって、やる気があって、時間を有効に使いたい人にとっては、(このコースは)お役にたちそうですか?
西田→そうですね!
逆に「なんとなーく」とか「だらだらやりたい」って人には向いていないと思うし、学校にとってもその人にとっても良くないように思います。
自信を持って人を頼って行動していくこと
ほり→最後にこれからデザイナーを目指すひとに一言お願いします。
西田→本当にデザイナーになりたい、やりたいという気持ちがあれば私はデザイナーになれると思っています。思いが強ければ、自然と新しい知識を仕入れたり人に頼ったりすると思うので、自ずと一歩近づいてくると思います。なので自信を持って人を頼って行動していくということをやってくださればと思います。頑張ってください!
ほり→エンプロスも、皆さんの期待にお応えできるようにますます頑張ります!
これから、ますます活躍される西田さんから目が離せませんね。
本日は授業に加え1時間のインタビューにお付き合いいただきありがとうございました。