未経験者の転職に立ちはだかる医療事務の4つの壁
医療・調剤・パソコン事務
-
- 公開日
-
- 最終更新日
エンプロススタッフ
医療事務員の仕事について紹介するコラム第4弾です。
前回は『医療事務のキャリアアップに繋がる3つの事例』という内容をお伝えしました。
医療事務員になった後でどのようにしてキャリアを作っていくのかを紹介し、どんな医療従事者が自分の理想に近い姿なのかを転職するまでに考えておくことが大切ですと解説しました。
未経験者の転職に立ちはだかる壁とは
今回は『未経験者の転職に立ちはだかる壁』についてです。
このコラムを読んでくださっている方の多くは実際に行動するかどうかは別にして、医療事務員への転職をある程度現実的に考えている方だと思います。特に医療業界での勤務経験が無い方は知りたい情報の少なさに戸惑っているのではないでしょうか。
未経験者が医療事務員へ転職するとき、主に「医療業界の慣習」「人間関係」「やりがい」「将来性」の4つが“壁”として立ちはだかります。加えて医療事務員の転職市場は経験者も多く活動しているので、経験者と比較してどれくらい不利なのかを解説します。
1.医療業界の慣習
未経験から医療業界への転職を考えるとき、まず覚えておいてほしいことは「医療業界は“装置産業”だ」ということです。難しい書き方をしましたが、要するに適切な医療機器があってこそ成立する業界です。
医療技術は日々進歩するため定期的に設備の入れ替えが必要になります。しかも医療機器はどれも高額なので、いかに効率的に設備を活用するかという発想で運営が行われます。
しかしながら、医療機関は患者の様々な悩みに接するところですので、工場や倉庫の様に“1日に○回転”といった単純なコスト削減が難しい側面があり、そもそも医療機関は利益を増やすために運営されていないといった理由もあって事業会社の様な仕事と報酬の関係は望めない可能性が高いです。
2.人間関係
医療事務員は殆どが女性ですので、どの医療機関でも医療事務員の職場は「女の職場」であることが多いです。また経験値が重要視される業界なので医療事務員としての職歴が短い間は周りのスタッフからの信頼が高いとはいえず意見が通りにくい部分は否めません。雇用形態では契約社員や派遣社員・パート従業員が多いので、やはり結婚や出産を機に退職するケースがあり、意外なほど人の入れ替わりが多く必ずしも従業員の定着率が高いとはいえません。
3.やりがい
仕事のやりがいは大きく二通りあります。
- 医療機関の顔として患者と接する仕事が楽しく誇らしいこと
- 将来的により専門的な医療従事者を目指すけれど、どんな専門職が向いているのかをはっきりさせるためのステップとしてえらぶこと
この二つのどちらかに近い職業観を持っていれば医療事務員としてやりがいを持って働くことができます。
逆に「働きやすい環境だから」とか「プライベートと両立しやすいから」とかいった転職理由は、医療機関ごとに方針や受入態勢が全く異なっており業界全体に浸透しているものではないと理解した方がよいです。
4.将来性
医療事務員という職種の将来性は「安定した雇用は見込めるものの負担は増加傾向にある」のが現状です。
本格的な高齢社会の到来を受けて医療機関はどこも急激な業務の増加に直面しています。医療事務員も同様に、受付と会計をして月初めにレセプト請求を行っていればよいという職種ではなくなってきています。
医療機関が本当に必要としているのは医師や薬剤師・看護師のサポートを行える人材ですので、もしかすると将来的に医療事務員という呼び方ではなくなっているかもしれません。
まとめ
異業種からの転職で女性に人気の医療事務員ですが誰でも簡単になれる職種ではありません。医療業界は慢性的な人手不足ですが雇用の際には人材の適性をしっかりと見極めようとするため選考は厳しめです。それに加えて医療事務員の経験者も転職活動を行っているため、比較されてなお魅力的に映る強みを考えておく必要があります。
繰り返しになりますが「医療業界の慣習」「人間関係」「やりがい」「将来性」についてもしっかりとキャリアプランを立てたうえで転職に臨むことが希望する医療機関への就職に近道となります。
未経験者に立ちはだかる医療事務の壁についてイメージを持って頂けたでしょうか。
前回のコラムにも興味を持って頂けた方は、下のリンクから読んでみてください。
LINEをつかって友達や家族にこの記事を教える
シェアボタン